有用な環境等

目次

余白

geometry

余白は、

\usepackage[option]{geometry}

のコマンドで調整出来る。

オプション例としては、[margin=1em] や、[top=3cm, bottom=1ex, right=2cm, left=1cm] などで指定可能。

float環境

固定

float環境内に図を置くとき、$\mathrm{\LaTeX}$ の仕様で勝手に位置がずれることがある。そんな時は、float環境を作るコマンドと一緒にオプションとして[H]を使えば良い。それだけで固定される。

ただし、このオプションはデフォルト仕様ではないため、次のパッケージを追加する必要がある。

\usepackage{here}

使用例

\begin{table}[H]
    \begin{tabular}{ccc}
        a & b & c \\
        d & e & f \\
        g & h & i
    \end{tabular}
\end{table}

図の横並べ

$\mathrm{\LaTeX}$を使ってるといつの日か、図を横にふたつ以上並べたい!ってことが多分出てくる。そんな時の為のコマンド : minipage が用意されている。使い方は以下の通り。

\begin{minipage}{0.5\hsize}
    \includegraphics[width=7cm]{~.png}
    \includegraphics[width=7cm]{~.jpg}
\end{minipage}

オプションは必要に応じて変更可能。また、例は二枚の場合だが、三枚以上でも同様に行える。

箇条書き

応用編 其の弐

応用編 其の壱の続き

ここで紹介するのは、箇条書きの簡単な作り方。 ただし、括弧付きや好きな文字での箇条書きは使えないので注意!

まずパッケージに

\usepackage[at]{easylist}

を追加する。 [at] は忘れがちなので注意。
箇条書き部分には、

\begin{easylist}
    @ 1
    @@ 1-1
    @ 2
    @@ 2-1
    @@ 2-2
\end{easylist}

のように書く。そうすると、

のように出力される。
これを使うとめちゃめちゃ時短出来るから、超オススメ!

数式

機能の拡大

下の二つを追加することで、$\mathrm{\LaTeX}$ の使い道が大幅に広がる。

\usepackage{amsmath, amssymb}

例えば、以下のようなコマンドが使えるようになる。

数学記号の拡大
$\leqq$ \leqq $\geqq$ \geqq
$\subseteqq$ \subseteqq $\supseteqq$ \supseteqq
$\liminf$ \liminf $\limsup$ \limsup
$\varliminf$ \varliminf $\varlimsup$ \varlimsup
$\iint$ \iint $\iiint$ \iiint
$\idotsint$ \idotsint $\mathbb{R}^n$ \mathbb{R}^n
$\mathbb{A}^n$ \mathbb{A}^n $\mathbb{B}_i$ \mathbb{B}_i

physicsパッケージ

パッケージの追加

\usepackage{physics}

物理で使うような数式(微分記号等)の入力が楽になる、便利なパッケージ。例えば、数式内で()の大きさを自動調整してくれたり、微分記号が勝手にローマン体(立体)にしてくれる。

physicsパッケージで出来ること
() \pqty{} 丸括弧
[] \bqty{} 各括弧
|| \vqty{} 絶対値括弧
{} \Bqty{} 中括弧
$a$ \vb{a} 太字ベクトル
$\theta$ \vb*{\theta} 太字ベクトル(ギリシャ文字対応)
$\vec{a}$ \va{a} ベクトル表記(上矢印)
$\vec{\theta}$ \va*{\theta} ベクトル表記(上矢印、ギリシャ文字対応)
\grad ナブラ記号
∇$\Psi$ \grad{\Psi} ナブラ記号+文字
$\exp()$ \exp() 自然対数の底の指数乗
$\log()$ \log() 対数
$\ln()$ \ln() 自然対数
$\det()$ \det() det
$\Re{z}$ \Re{z} Re
$\Im{z}$ \Im{z} Im
$\mathrm{d}$ \dd 微分記号
$\mathrm{d}x$ \dd x d$x$
$\mathrm{d}^3x$ \dd[3]{x} $x$の三階微分
$\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}x}$ \dv{x} $x$の微分
$\frac{\mathrm{d}f}{\mathrm{d}x}$ \dv{f}{x} $f$を$x$で微分
$\frac{\mathrm{d}^nf}{\mathrm{d}x^n}$ \dv[n]{f}{x} $f$を$x$でn階微分
$\mathrm{d}f/\mathrm{d}x$ \dv*{f}{x} $f$を$x$で微分
$\frac{\partial}{\partial x}$ \pdv{x} $x$の微分
$\frac{\partial f}{\partial x}$ \pdv{f}{x} $f$を$x$で微分
$\frac{\partial^n f}{\partial x^n}$ \pdv[n]{f}{x} $f$を$x$でn階微分
$\frac{\partial^2 f}{\partial x\partial y}$ \pdv{f}{x}{y} $f$を$x$と$y$で微分
$\partial f/\partial x$ \pdv*{f}{x} $f$を$x$で微分
三角関数の表記
出力 入力 出力 入力
$\sin(x)$ \sin(x) $\sinh(x)$ \sinh(x)
$\arcsin(x)$ \arcsin(x) $\mathrm{asin}(x)$ \asin(x)
$\cos(x)$ \cos(x) $\cosh(x)$ \csoh(x)
$\arccos(x)$ \arccos(x) $\mathrm{acos}(x)$ \acos(x)
$\tan(x)$ \tan(x) $\tanh(x)$ \tanh(x)
$\arctan(x)$ \arctan(x) $\mathrm{atan}(x)$ \atan(x)
$\csc(x)$ \csc(x) $\mathrm{csch}(x)$ \csch(x)
$\mathrm{arccsc}(x)$ \arccsc(x) $\mathrm{acsc}(x)$ \acsc(x)
$\sec(x)$ \sec(x) $\mathrm{sech}(x)$ \sech(x)
$\mathrm{arcsec}(x)$ \arcsec(x) $\mathrm{asec}(x)$ \asec(x)
$\cot(x)$ \cot(x) $\coth(x)$ \coth(x)
$\mathrm{arccot}(x)$ \arccot(x) $\mathrm{acot}(x)$ \acot(x)

詳しくはここ(外部リンク)にあります

場合分け(連立方程式)

場合分けをする場合、cases環境を使用。cases環境はamsmathパッケージに内包されている。

casesは\begin,endを用いて環境を指定する。改行は\\で指定する。

\begin{cases}
    case1 \\
    case2
\end{cases}

出力

\begin{cases} case1 \\ case2 \end{cases}

書式

ローマ数字

ごく稀にローマ数字を出力したくなる。検索すると、多くのサイトでローマ数字は出力不可と書いてあるが、それは間違いである。ローマ数字は、以下のパッケージを利用するだけで簡単に出力が可能である。

\usepackage{otf}

ローマ数字を使用したい時は、次のコマンドを入力すれば良い。

\ajRoman{数字}

ここで、ajRomanRを小文字にすると、小文字のローマ数字が出力される。

太字

文字を太字にしたい。そんな願望を叶えるのがこのパッケージだ。

\usepackage{bm}

文中で、\bm{太字にしたい文字}とすれば、{}内が太字になる。

二段組

文章の二段組をしたくなる時がたまにある。そんな時はパッケージ

\usepackage{multicol}

を追加して、二段組にしたい部分を

\begin{multicols}
    二段組部分
\end{multicols}

と囲むと、囲んだ範囲が無事二段組となる。ここで注意しなければならないのは、パッケージでは multicol だが、コマンドは multicols だということ。

便利機能

コメントアウト

ここに至るまで散々と断りなしに使用してきたが、"%" を用いるとコメントアウトすることが出来る。 コメントアウトとは、一切出力されない自分用のメモのようなものである。コメントとして、出力からアウト(外す)という意味。

%以降のこの行はコメントアウトされている。

超便利なので、有効に活用してね。ページの最後に見直す内容とかメモしておくと良いよ。

脚注

脚注を付けたい単語・文に、以下のコマンドを付けると脚注を追加できる。

\footnote[番号]{脚注内容}

番号は省略可能で、省略すると連番となる。

そのままの出力

入力内容をそのまま出力したいときは、verbatim> というコマンドを使う。

\begin{verbatim}
ここに書いた文は
  空白、改行も含めて
    普段コードとして認識される文字も
そのまま出力することが出来る。
 もちろんコメントアウトも無効。
  \ ! < > { } なんかもそのまま出力
\end{verbatim}

出力

ここに書いた文は
  空白、改行も含めて
    普段コードとして認識される文字も
そのまま出力することが出来る。
 もちろんコメントアウトも無効。
  \ ! < > { } なんかもそのまま出力

実は文中でも同じようなことが可能なコマンドも存在する。\verb|ココ| に入力した文字はそのまま出力される。ただし、| は例外で、\verb+|+ と入力しなくてはならない。

Yutoのてんぷら

著者が普段自分用に使ってるテンプレ。多分説明したもの以外は不使用。

\documentclass[uplatex]{jsarticle}
\usepackage[margin=10cm]{geometry}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage[at]{easylist}
\usepackage{multicol}
\usepackage{multirow}
\usepackage{amsmath, amssymb}
\usepackage{wrapfig}
\usepackage{physics}
\usepackage{cases}
\usepackage{here}
\usepackage{otf}
\usepackage{bm}
%\renewcommand{\labelenumi}{(\arabic{enumi})}

\title{ write a title here }
\date{\today}
\author{ write a author here }
\begin{document} % ここから本文
%\maketitle % タイトルを付ける
%\newpage % タイトルに1ページ
%\tableofcontents % 目次を作る

\section*{\ajRoman{1}}


\section*{\ajroman{2}}

\end{document}

以上! お疲れ様 !